第27回日本ワクチン学会・第64回日本臨床ウイルス学会合同学術集会

第64回日本臨床ウイルス学会 会長挨拶

会長:田中 敏博
会長  田中 敏博
(JA静岡厚生連 静岡厚生病院 小児科 診療部長)

このたび、伝統ある日本臨床ウイルス学会におきまして、第64回の会長を拝命いたしました。そして、第27回 日本ワクチン学会 学術集会の会長・中野貴司先生にお声がけをいただき、本学会・総務幹事の中山哲夫先生、日本ワクチン学会・理事長の岡田賢司先生、ならびに両学会の役員の先生方のご理解とご厚意をいただきまして、合同学術集会として2023年10月21日、22日の2日間、静岡市を会場に開催させていただくことになりました。

医師、とりわけ小児科医にとって、“感染症学はたしなみである”と認識してまいりました。それほど日常診療において感染症が占める割合は高く、専門ではないからと言い訳をして目を背けるわけにもいきません。

感染症に苛まれる患者から、つぶさに症状とその経過を聴き取り、身体所見を把握して、疾患の全体像をイメージしながら治療に当たる、そのような作業を約30年間繰り返してきました。日常診療で対峙する感染症の原因の多くを占めるのはウイルスと考えられます。その確定の手法も、市中病院の一勤務医の立場ではお金と時間をかけてウイルス分離の結果を待つしかなかった時代から、迅速診断キットが台頭して手軽かつ身近になり、COVID-19によってPCR法を中心とする核酸検査の時代に突入しています。こうした診療は一見、流れ作業のようではありますが、感染症は様々、診療のツールも様々、患者も様々ですから、一筋縄ではいきません。日常診療はまさしく、「臨床ウイルス学」です。

合同学術集会のテーマは、「過去をつむぎ、次世代へつなぐ ~さあ、みんなで、ふじをめざそう!~」です。副題の“みんなで”は岡山の桃太郎と仲間達、“ふじ”は静岡にある日本一高く世界一美しい富士山、の意が一つ。もう一つは、多職種:様々な領域の人材と、不二:唯一無二の境地です。臨床ウイルス学という山、ワクチン学と連なる連峰の頂は雲の上、どこまで高いのか想像も尽きません。しかし、多彩な職種・人材が手を携えて探求し続けることで、わが国だからこその景色、世界が広がっていくものと信じてやみません。

臨床ウイルス学、ワクチン学を支えていただいている様々な領域の多くの皆様にご参加いただけるような、魅力的な学術集会が開催できるようにと思います。静岡の地でお待ちしております。

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